Cynical Sally← Contents
Business Proposal · How to / How not to

提案書の書き方(と、やってはいけない書き方)

提案書は感情のついた値札ではありません。たいていの提案書は、あなた以上にその案件をやりたくない人が書いた身代金要求の手紙のように読めます。

By Cynical SallyIssue Nº 1

案書の仕事はただ一つ。あなたに一度も会ったことのない多忙な相手に、安心してお金を預けられると感じてもらうことです。それだけです。それなのに平均的な提案書は逆のことをやってのけます。冒頭で「クリーンなコードへの情熱」について三段落も語り、料金が発生するかもしれないことはついでのように触れるのです。クライアントはあなたの生い立ちを聞いたのではありません。自分の問題を理解しているか、着手金が振り込まれた途端に消えないか、それを聞いているのです。

This is what you getA real Full Truth, in full
Cynical SallyBusiness Proposal

The Full Truth

on カート放棄による売上の相談を受けた小規模ECクライアントへの、フリーランスのWeb開発者によるプロジェクト提案書

4.2
out of ten
あなたは自分の「デザイン哲学」に300語を費やし、相手がわざわざメールしてきた放棄カートには一語も割きませんでした。誰も聞いていない質問に、見事に答えましたね。
The Investigation
  1. 01

    主語があなたで、相手ではない

    Critical

    提案書は「私は6年の経験を持つ情熱的なフルスタック開発者で、ピクセル単位のデザインを愛しています」で始まっています。クライアントは決済で資金を垂れ流す店を営んでいます。彼らはあなたのピクセルではなく、自分のカートを気にしています。相手の問題を名指しして始めましょう。「現在、カートから決済の間で買い物客の約7割を失っています。その一部を取り戻す方法はこうです。」5段落目ではなく、最初の一文で見てもらえたと感じさせるのです。

  2. 02

    価格が裸で、何の基準もない

    Critical

    4ページ目はただ「合計:4,800ドル」と書いてあるだけ。内訳もなく、価値とのつながりもなく、失われたカートが今いくら損させているかとの比較もありません。文脈のない数字は、ただ身構えるだけの数字です。基準を与えましょう。「月に約12,000ドルがカートから歩き去っているとのことでした。この4,800ドルの構築は、その十分の一でも取り戻せれば最初の3週間で元が取れます。」これで価格は請求ではなく、お買い得になります。

  3. 03

    範囲が霧なので、スケジュールは当てずっぽう

    Notable

    「完全に最適化された、モダンでスケーラブルな決済体験」を「おおよそ4〜8週間、状況次第」というスケジュールで約束しています。この幅は100パーセントの誤差で、「状況次第」という言葉が全部の仕事をしています。具体的な成果物と日付でフェーズを定義し、明確に範囲外のものを列挙しましょう(在庫移行なし、新しい決済プロバイダーなし)。曖昧な範囲こそ、4週間の仕事が4か月の遺恨に変わる原因です。

The Copy Clinic

私について少しだけ。私は6年の経験を持つ情熱的なフルスタック開発者で、モダンなベストプラクティスを用いて美しく、ピクセル単位で完璧で、スケーラブルなウェブ体験を作ることを愛しています。

買い物客の約70パーセントが支払い前にカートを放棄しているとおっしゃいましたね。御社の流通量では、月に約12,000ドルが扉から出て行っている計算です。この提案はそのギャップを埋めることが主題であって、私の話ではありません。

成果物:完全に最適化された、モダンでスケーラブルな決済体験。スケジュール:要件次第でおおよそ4〜8週間。

フェーズ1(1週目):1ページ決済化。離脱の60パーセントが起きる3つのフォーム工程を撤去。フェーズ2(2週目):1時間後に発火するカート復帰メール。14日目に公開。範囲外:決済プロバイダーの変更と在庫移行。

The Action Plan
  1. 1導入の段落を削除し、冒頭の一文を、相手が見覚えのある数字で表したクライアントの問題に書き換える。
  2. 2一つだけの「合計」金額を、今失っているお金に対して価格を基準づける3行の内訳に置き換える。
  3. 3あいまいな成果物を、それぞれ一つの具体的な結果を持つ2〜3個の日付入りフェーズに変え、明示的な「範囲外」リストを加える。
  4. 4「ご意見をお聞かせください」を、日付付きの具体的な次の一歩に差し替える。「金曜までにはいとご返信いただければ、契約書と月曜開始のご案内をお送りします。」
Yours for the price of a coffee.Printed with disdain
Your turn

That was a stranger's business proposal. Drop yours, I will go just as hard.

One coffee, from €2,99. No mercy.

良い知らせは、提案書は呆れるほど簡単に勝てるということです。競合のほとんどがゴミだからです。詩人になる必要はありません。クライアントの痛みを彼ら自身の言葉で言い直し、抜け道を示し、そこに数字を添え、次のステップをワンクリックにする。この四つを順番にやれば、経験が倍ある相手より高い成約率を出せます。では、それと実際に受信箱に届くものとの差をお見せしましょう。

How to do it right
  • 01自分のことを一度も触れる前に、相手の問題を相手の言葉で切り出すこと。売り込みを待っていたのではなく、ちゃんと聞いていたと証明するのです。
  • 02すべての成果物を結果に結びつけること。「ウェブサイトを作ります」ではなく「2ページ目で離脱する40パーセントの取りこぼしを止める決済画面」と書くのです。
  • 03時間単価ではなく、範囲を区切った固定パッケージで料金を出すこと。時間制はあなたの速さを罰し、どれだけかかるか見当もつかないとクライアントに伝えてしまいます。
  • 04前提条件と、範囲の外にあるものを明示すること。今引く境界線が、3週目に避けられる口論になります。
  • 05明確な次の一歩と締め切りで締めること。「はいと返信いただければ木曜に契約書をお送りします」は、毎回「ご意見をお聞かせください」に勝ちます。
How not to
  • 「私について少しだけ」と自分の「歩み」についての段落で始めること。クライアントはあなたの自伝を雇うのではなく、結果を買うのです。
  • 料金を4ページ目に埋もれさせて現実味を薄めようとすること。現実味は薄れません。料金を恥じているように見え、かえって疑われます。
  • 一つ頼まれたのに47のサービスを並べること。散弾銃式の提案は「文字通り何でも引き受けます」と言っているようなもので、柔軟ではなく必死に見えます。
  • 範囲やスケジュールに「未定」や「要件次第」と書くこと。それは正直さではなく、自分の計画立てを買い手に丸投げしているだけです。
  • 同じテンプレートを使い回し、2段落目に前のクライアントの名前を残したまま送ること。ええ、サリーは見ました。2回。同じ週に。